お正月特集で東京・恵比寿「写真集食堂めぐたま」のおかどめぐみこさんから教えてもらった、おもてなしの秘訣。そのちょっとした心遣いには、誰でも「おもてなし上手」になれるヒントがたくさん詰まっています。
「お正月特集」第2回目の今日は、新しい年を迎えるためのしつらえの話。特集ページでご紹介しきれなかったお飾りの写真も交えてお届けします。
■ 年の初めは 新しい紙から
その音「かみ」が、「神」や「上」とも同じことから新年には新しいものを使うと良いとされる紙。玄関などのメインの場所に敷いてその上にお飾りを飾るだけで、新しい年を迎えるための部屋のしつらえが完成します。
真っさらな白い紙に、お正月らしく赤い紙を挿し色で加えればお正月らしい華やかな空間に。
おかどさん
「紙の折り方にもね、本当は縁起の良い方法とそうではない方法といろいろあるのよ。でも、この折り方ならお正月でも大丈夫だし、何より簡単ですよ。」
そうおかどさんが教えてくれたのは、角を揃えて折る方法。輪になる部分は手前に持ってきて、その上にお飾りを飾ります。
こちらはちょっぴり応用編。
赤と同様にお正月にふさわしい金色を挿し色にして、壁やドアに飾る縄飾りのベースにしてみました。
■ お正月気分を ちょっとしたところに忍ばせて
玄関だけではなく、テーブルの隅やトイレ、はたまた廊下などちょっとしたところにもお正月らしいものを忍ばせて。ちょっとしたところのお飾りは気負わずに、手持ちの袱紗やお気に入りの豆皿に乗せるだけ。ふとした瞬間に目に映るお正月のエッセンスが、訪れたお客さまの気持ちも和ませます。
ちょっとした雑貨についているような、何でもない塗りのお盆や板もこんな時に大活躍します。下の写真はおかどさんの私物。
おかどさん
「何でもない塗りの板に千代紙を切って貼っちゃったの。小さなお雛様を飾ったり、何かと使えるのよ。」
実家や自宅の納戸のどこかに眠っていそうなこんな塗りの板。ちょっとした工夫でこんな風に使えたら、なんだかとびきりお気に入りの空間ができそうです。
■ ひと手間加えて とっておきのお飾りに
購入したお飾りも、季節の花を添えてひと手間加えるだけで我が家だけのとっておきのお飾りに仕上がります。新しい年を司る年神さまを迎えるためのお正月には、松や笹の葉、梅や椿の花、そして南天や千両などの赤い実がおすすめだそうですよ。
「あちらのお宅には柚子がたくさん実っているわね。あそこの南天の実はどうだったかしら。」
おかどさんの頭の中には「ご近所植物マップ」があるご様子。それぞれのお宅にお願いをして、お料理に添えるお花や葉などをいつでも摘めるようなっているのだそうです。
お正月特集の撮影の日も、その「ご近所植物マップ」を頼りにこんなに収穫できました!
ちょっとした心遣いでとっておきのおもてなし。
新しい年の部屋のしつらえは、お客さまへのものであり年神さまへのものでもあるけれど、ひょっとしたら何より自分が心地よく新年を迎えるためのものなのかもしれません。
大切な方とご一緒に、どうぞ心地よく新しい年をお迎えください。
= 文・写真 宮城 =
プロフィール
おかどめぐみこさん
子どもの頃から、人にご飯を食べてもらうのが大好き。現在は友人3人と東京・恵比寿で「写真集食堂めぐたま」を運営。
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