映画がきっかけで目覚めたという北欧インテリアと、肩ひじ張らずにていねいな暮らしを心がけるその姿勢が人気のブログ「めがねとかもめと北欧暮らし。」。そのブログを主宰されているMIさんに、2週にわたってお話をお伺いしています。
後編となる今日は、2人の男の子の母であり夫婦共働きをされているMIさんが工夫しながら辿りついた収納のお話。家族みんなが参加できる収納づくりについてご紹介したいと思います。
■ そのきっかけはお母さまの入院と、ご主人のひと言
お母さんがひとりで頑張らない、家族で頑張る仕組みづくり。MIさんのお宅には、あちこちにそんな工夫が散りばめられています。
そのきっかけとなった出来事のひとつが、MIさんのお母さまの入院。お母さまの入院中にご実家に足を運び家事を手伝おうとしたところ、調理器具や食材がどこに収納されているのか分からず困った経験から、ふと自宅のことを考えたとおっしゃいます。
「収納の見直しをする前はどこに何があるのか私以外の家族はみんな分からず、何か必要な度に「○○はどこにあるの?」と聞いていたんです。忙しい時に限って聞いてくるので、イライラしてしまうこともありました。」
そんなMIさんに、ある時ご主人が言った「自分ひとりで頑張らなくてもいいんじゃない?」という言葉。その言葉にもずいぶんと救われて、MIさんは今までの収納を見直し、誰でも分かる「家族みんなが参加できる収納づくり」を心がけるようになったといいます。
■ 少しの工夫で驚くほど暮らしは豊かになる MIさんから教えてもらう「収納づくり」
2人の男の子の母であり、夫婦共働きをされているMIさんが工夫をしながら辿りついた「家族みんなが参加できる収納づくり」には、どなたでもすぐ真似できそうな収納のヒントがいっぱい。家族が協力してくれることで生まれる気持ちのゆとりが、暮らしを豊かなものにしてくれます。
<MIさんの収納のコツ・1>用途別・場所別にグルーピング収納
観葉植物の近くにはガーデニンググッズを置いて。
MIさんのお宅の収納の特徴のひとつが、用途別・場所別にまとめていること。
例えば観葉植物をケアするはさみや道具をひとまとめに収納するだけで、あちこちに取りに行く手間が省けて、思い立った時にすぐ植物の世話に取り掛かれます。
ガーデニンググッズはカゴにひとまとめに。
使う用途によって「グルーピング収納」に変更したことで変わったことは、ものを探す必要が省けたご主人が率先して家事をしてくれるようになったこと。どこに何があるか分からないということは、聞かれる側だけの負担ではなく、実は聞く側にとっても負担だったのだと改めて感じたというMIさんです。
<MIさんの収納のコツ・2>ひとつの場所にひとつ
家の中にいくつもハサミや爪切りがあると、ひとつ紛失しても誰も探そうとせず、なくなったことすら誰も気がつかないことも。そうこうしているうちにたくさんあったハサミがひとつもない、という事態にだってなりかねません。
そこでMIさんが思いついたのが「ひとつの場所にひとつ」収納。ひとつの場所にひとつしかなければ次に使う人が困って必ず探すだろうというMIさんの思惑通り、今では元の場所にないと家族の誰かが必ずつきとめるようになり、ものがなくなることがなくなったといいます。
<MIさんの収納のコツ・3>どこにでも使える収納グッズ選び
MIさんが目指すのは、来客の時にお客様に見られてもいいような美しく整えられた収納。同じ収納でも、その見た目が統一されているのとされていないのとでは見え方がずいぶんと異なります。
MIさんが気を付けているのは、同じ素材やカラーで統一すること。まったく同じ色でなくても同系色で揃えることで、場所を越えてどこで使ってもお部屋に統一感を生み出すことができるそうです。
そんなMIさんは、収納だけなくポスターフレームも同じ木製のもので統一。ポスター自体が様々なデザインであってもフレームを統一しておくことで、あちこち移動させて気軽に模様替えも楽しめるようになったご様子です。
少しの工夫で驚くほど暮らしは豊かになるとおっしゃるMIさん。ひとりで頑張ることをやめて家族みんなで頑張ることにしたというMIさんの暮らしには、いつか観た映画の中の北欧の時間の使い方のような、暮らしを丁寧に味わうヒントが詰まっています。
自分のものさしを知るためにも知りたい、あのヒトのものさし。
たくさんのものさしの中からピントに合うものを取り入れて、作っていきたい自分のものさしです。
=写真:MIさんのご主人 文:宮城=
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「めがねとかもめと北欧暮らし。」MIさんのものさし 【前編】
<MIさんのご著書はこちらです。>
「めがねとかもめと北欧暮らし。」 宝島社
「めがねと かもめと 北欧暮らし。 心地よい片付けの法則 」 KADOKAWA