気ままな暮らしの向こう側 日々のコラム

【佐々木奈美の「子どもといっしょにトトノエル」】第1回“いる”と“いらない”は誰が決めるの?

【佐々木奈美の「子どもといっしょにトトノエル」】第1回“いる”と“いらない”は誰が決めるの?

こんにちは。
整理収納アドバイザーの佐々木奈美です。
今回からスタートする新連載「子どもといっしょにトトノエル」は、私と3人の子どもたちのお片付けの様子をお届けしたいと思います。
日々子育てに翻弄される私は、子どもたちと一緒にお片付けをしながら、悩みの多い自分を何とか立て直そうとします。
遠回りしながらも自分らしさを見つけ出そうとするマイペースな私たち。
良いところも悪いところも、大目に見てやっていただければうれしいです。


子どもの世界には、“いる”と“いらない”がいっぱい!


子どもの机の引き出しって、ゴミと宝の山ですよね。(笑)
大人の私から見ると、まるで基準が分からない。
だけど、なんだかワクワクする世界。
私から見たらゴミ。子供から見たら宝。
逆に私から見たら「これ素敵!」と思うものは、子どもから見たら「え?そう?」と思うもの。
同じ物でも、人によって捉え方も価値観も全く異なるのだということを感じます。

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「いるいらないボックス」


そんな時、これがあれば、子どもの本当の気持ちが分かってあげられるような気がします。名付けて「いるいらないボックス」…!

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真っ白なボックスに「いる」と「いらない」をマステに書いて貼るだけ。
簡単です。
これがあれば、モヤモヤとした作業も、曖昧な気持ちも、しっかり線引きできる不思議なボックス。
さらに、親子で一緒に子どもの気持ちを認識できるアイテムなのです。
わが家はこれを使って、時々断捨離イベントを開催します。

母「これは?」
子「いる!」
母「これは??」
子「いらない!」

これをひたすら繰り返すだけ。


お片付けで生まれる大切な会話。


疑問に思ったことは、素直に聞きます。
「どうしてこれは取っておきたいと思ったの?」
「これは〇○先生からもらった物。好きな先生だったから大切。」
「へぇ~。じゃぁ、これは思い出ボックスへ移そうか。」
→収納場所を思い出ボックスへ変える。

捨てたくなさそうな様子を見ると、何に戸惑っているのかを聞きます。
「無理に捨てなくてもいいよ。」
「うん。でも…もういらない。これをもらったのは幼稚園の時だし。」
「すぐには捨てられなかった物も、時間が経つと捨てられるんだね。」
→自分で決めてゴミ箱へ捨てる。

捨てて身軽になる物は、思い切って捨てる提案をします。
「これは中身だけ取っておいて、箱は捨てたら?もっと使いやすくなるよ。」
「ほんとだ!なんで持っていたんだろう!」
→中身だけ引き出しに収める。箱はゴミ箱へ捨てる。

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見えてくるわが子の本質。


この会話で発見だったのは、わが子が大切にしている軸みたいなものが見えてきたということ。
この子は捨てることに時間の経過が必要であることと、自分のことを認めてくれる人や、笑顔にしてくれる人の存在が大きいということに気づくのです。

そして、物を持つ理由と判断基準を自分で決めるというのはとても大切なこと。
人生はたくさんの選択の積み重ね。
私は、一つ一つをきちんと自分で選び、自分で決めていくということが、とても大切な力だと信じています。
子どもが物に対して“いる”と“いらない”を決めることは、子どもにとって大切な訓練の一つだと感じたのです。
大人が勝手に捨ててはいけないというのは、ここにあるのではないでしょうか。

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ある日、長年続けてきた習い事を途中でやめることになった息子。
「自分で選んで始めた習い事じゃないから後悔しない。」
お見事!
私は清々しく、
「よし、やめよう!次は自分で見つけよう!」
と息子の決断を逞しく見守ったのです。
捨てる失敗も手放す成功も、きっと子どもたちを成長させてくれるはずです。


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