2019年9月21日(土)~9月22日(日)に、第4回目となる【angersの小さなうつわ市】を、東京・中目黒にて開催することになりました。
今回は、『にほんの丁寧なものづくり』をテーマに、うつわやドライフラワー、その他クラフトアイテムなど、作家さんのアイテムを中心に取り揃えています。
イベントの詳細はこちら。
「angersの小さなうつわ市 vol.4」を開催します!
本日はその中から、児玉修治さんのうつわをご紹介します。
1980年福岡生まれ、大阪府・兵庫県へ移住、高校へ経るうち、陶芸家の道への思いを描くようになったという児玉さん。
京都伝統工芸専門学校(現 京都伝統工芸大学校)を卒業後、丹波焼「窯元 やまの」に弟子入りし、4年間の師事ののち、2005年11月兵庫県加古川市にて独立、「陶工房 希器」を構えました。
独立後、児玉さんが最初に作っていたのは白磁のうつわ。そのあと今も人気の黒のうつわを作り、青や黄色、ラムネ、灰色などを、毎年新しいものを作られています。
児玉さんのうつわとの出会いは、2017年10月の静岡手創り市。そして今年の5月の松本クラフトフェアでお話しをさせていただき、今回イベントにご参加いただけることになりました。
キャンバスを表現した、他に見ない表情のうつわ
新しいものは、通年通して試作を行い、製品化するまでに3-4年かかるものも。今回メインでご用意していただいたカンヴァスのうつわも3-4年の試作を経て、完成したものだそうです。
カンヴァスのうつわを見たときに、まず魅力を感じたのは、その独特な表情。プロダクトものでは出せない釉薬の質感がとても美しいです。
その表情は、絵画に使う「キャンバス」を表現したもの。
刷毛を使って、釉薬をたてよこななめにで何度も塗ることで、キャンバスの織り目を表現しています。
料理が好きで、「料理家さんが好むような、一般的にはあまり見ないようなものを作りたいんです」と話す児玉さん。
料理を盛り付ける人にとってうつわはキャンバスとよく言いますが、
実際に絵画を書くキャンバスのようなものを作ったらどうか、というところから始まったんだそうです。
とても繊細な見た目ですが、普段使いしやすいように撥水加工されているので、油染みなどの心配もなくお使いいただけますよ。
使う人のことを考えた気配り
児玉さんのうつわの良さはその表情だけでなく、細部にまでこだわりを感じられるところ。
例えばラウンドプレートは、同じサイズ同士、綺麗にスタッキングできるかたちになっています。もともと高さのないデザインですがピッタリとスタッキングできるので、食器棚でも気持ち良く収納できます。また、その気配りは底面までも。
※「Shuji」の文字は、彫った後に呉須で色付けをしています。
薄いプレートは、底面に高台がないものが多いのですが、児玉さんのうつわは、この高台があることで、指をひっかけることができ、持ちやすいかたちになっています。
また、綺麗に平らなラインを出すために高台は2重に。不要な部分を削ることで、うつわ自体の軽さも出しています。
使う人のことを考え、一手間を惜しまないところに、児玉さんの丁寧なものづくりの心を感じます。
お茶道具から生まれた、上品な黒
カンヴァスシリーズの他に、今回ご用意していただいたのが、黒のうつわ。この黒の釉薬は、お茶道具をイメージして作ったもの。
10年以上茶道を習われている児玉さん、
鉄瓶や鉄風炉、五徳など、お茶道具の黒を見て、日常のうつわに落とし込めないかと考えたのがきっかけだそうです。
そして、色々な調合を試していく中で、ちょうどいい艶感とざらつきで完成したのが今の黒の釉薬です。
※黒は、カンヴァスとも相性の良い色合いです。
実はこの急須は、お茶道具の鉄瓶を表現するために、切り替え部分より下は、釉薬ではなく黒の泥を塗っているそうです。
すべて同じ釉薬で仕上げずに、ちょっとした素材感の違いを出すことで、お茶道具の鉄瓶に近い雰囲気に仕上がっています。
揺らぎのある曲線が美しい、オーバルプレート
オーバルプレートは、揺らぎのある曲線のラインが美しかたち。縁部分は削りの工程を入れているので、持ったときには見た目以上に軽さを感じます。
カンヴァス、黒のどちらも3サイズ展開でご用意していただきました。かたちは同じですが釉薬が違うだけで雰囲気が異なります。どちらも料理を引き立ててくれる表情のうつわなので、ご自身の食卓を想像しながら選んでいただきたいです。
児玉さんのうつわは、冬頃にWEBでもご紹介させていただく予定です。楽しみにお待ちください。