今日からはじまりました新連載「ありきたりな日常を楽しむためのヒント」。
日常は、朝起きて、歯を磨いて、ごはんを食べて、家事に育児に仕事と、やらないといけないことの連続。ただなんとなく過ごしていると、「暮らす」というより「こなす」1日になりがちです。
だけど暮らしの大半は、このありきたりな日々なんですよね。
それならこの時間こそ、楽しまないともったいない!
若い頃は仕事に打ち込むのが楽しくて、働いてさえいれば充実していましたが、今は仕事も大事だけど家庭も大事。
大切なものが増えたことで、大事にしたいシーンに欲張りになった自分がいます。
そんなわけでこの連載は、わたしが日常生活を送る中で意識したり心掛けていることを、僭越ながらご紹介するエッセーのようなもの。
軽い気持ちで読めて、暮らしにほんのり彩りを添えるお手伝いができたらいいな思っています。
新連載、どうぞよろしくお願いします。
「季節感のある暮らし」のススメ
特に何のイベントもない普段の生活って、スケジュールや行動がだいたい同じ。
予定調和なうえに毎日続くとなると、そんな暮らしにドキドキやワクワクなんて感じられないですよね。
一方で季節は、日々少しずつ移ろっていく「変化」そのもの。
だから季節を感じながら暮らすことは、単調な日々に変化をもたらす、いちばん簡単で分かりやすい方法なんじゃないかなと思います。
ただそうはいっても毎日が忙しいと、他のことに手を回す余裕がないのも現実。
わたしはマメでもなければ、凝り性でもありません。
ですので基本姿勢は、
「できる範囲で・無理なく・楽しく」
疲れている時は何もしないし、大げさなこともほとんどなし。
何かのついでにできたり、少し意識を変えるだけでできる、手軽なものがほとんどです。
でもそれでも、やるのとやらないのとでは大違い。
思い立った時や気分の乗った時にちょこちょこ実践している、小さな工夫をご紹介します。
季節を感じながら暮らす6つの工夫
<1.季節の草花を飾る>
オーソドックスな方法ながら、効果は抜群。アレンジメントはもちろんのこと、たった一輪だけでも空間の雰囲気がガラリと良くなります。
お花屋さんに足を運ぶ時間がない時は、庭先や散歩の途中で見つけた野草を無造作に生けてももいいですし、これからの季節だと松ぼっくりや落ち葉のディスプレイも手軽に楽しめておすすめです。
<2.旬の素材を食卓に並べる>
旬の食材はその時期だけの味覚はもちろん、夏なら体を冷やし、冬なら温めるという風に、とても理にかなっているんですよね。
おいしく食べて体に良く、しかも季節感を感じられるといいこと尽くし。シーズン中に一度は旬のものを食卓に並べることを意識しています。
食材によっては調理に手間のかかるものもありますが、年に一度の恒例行事としてイベント化してしまえば、ちょっとモチベーションを高めることができますよ。
<3.昔ながらの風習を大切にする>
日本には毎月何かしらの風習があるので、それを活用するのもひとつの手。
土用の丑のうなぎ、冬至の柚子風呂といった有名なものならニュースや買い物の時に知ることができますし、節分や暑気払いなどは地域ごとに作法が違うので、時間のある時に調べてみると、今まで知らなかった発見があることも。
<4.おやつに和菓子を取り入れる>
実家の向かいが和菓子屋さんだったため、幼い頃から和菓子が身近にありました。店頭に並ぶ上生やお干菓子を見ては季節の訪れを知るのが日常でしたが、それが贅沢な環境だと気付いたのは、大人になってから。
和菓子ってどのお菓子よりも四季を大切にしているんですよね。お菓子に込められた伝統の意匠や技を感じつつ、季節に想いを馳せてみる。そんなおやつの時間は、年齢を重ねた今だからこそ味わえる特別なひとときではないでしょうか。
<5.そのシーズンだけの小さなお楽しみを見つける>
たとえば、寒い日に外でハフハフほおばる肉まん。こたつでアイス。お気に入りの入浴剤を入れて長風呂。
これらはすべて、わたしにとっての冬の小さなお楽しみ。
その季節にしかできない体験は、ささいなことでも心が躍るものです。
今までそれほど意識せずにやっていたことでも、心に留めてみれば楽しさに気付くことができるはず。
<6.服装は季節を感じるカラーを挿し色に>
年齢を重ねるごとに、自分の装いのスタイルが確立されてきます。でもそうなると今度は、マンネリに陥りやすくなるというジレンマが。
そんな時におすすめなのが、ワードローブに季節の挿し色を加えること。靴下やインナーなどチラ見せ程度でもOKです。いつものコーディネートが新鮮に映り、簡単に気分を上げることができますよ。
いかがでしたか?
四季のささやかな移ろいを見逃さず、そこに楽しみを見いだせたら、ありきたりな日々がワクワクの連続に変わるはず。
ぜひ記事を参考に、自分らしく暮らしに季節感を取り入れてみてください。
文・池田奈未
好きなものは、まち歩き、カメラ、淹れたてコーヒー。収納の少ない家で3人暮らし。すっきり心地よい暮らしを目指しています。