繕う悦び、知ってしまいました。
こう見えて、大のうつわ好き。そして困ったことに、おおざっぱな性格にも関わらず薄いうつわが好きなんです。
そのお気に入りのうつわたちを私なりに大切にしながら使っていても、ふと小さな欠けに気が付いて夜中のキッチンでひとり小さく叫ぶことも。いったいどうすればこのうつわたちと永くお付き合いできるのかしらと嘆いていた今日この頃です。
■ 繕っては、また使う
そこで知ったのが、うつわのヒビや割れを漆で継いで金を施す、昔ながらの「金継」の技術。今は漆や金に代わり新しい素材を使った金継キットが販売されていたり、各地でワークショップが行われていたりと、ずいぶんと気軽にどなたでも楽しめるようになりました。
そんな私も知人のワークショップで教えてもらった金継の技術で、早速せっせせっせとお気に入りのうつわたちに金を施して。まるで繕うごとに「景色」としてうつわに自分らしさが宿るようで、また永くお付き合いできることがとっても嬉しくなる作業です。
■ 最近のお気に入り
最近我が家に仲間入りしたのは
九谷青窯の徳永遊心さんのうつわたち。ひとつひとつが異なる個性をもつ作家さんもののうつわとの出会いは、まるで運命のようなもの。ちょっとずつ異なるモチーフや、ぽってりと垂れた釉薬に、徳永さんの息遣いを感じるようでちょっぴり心が和みます。
今日は、そんな徳永さんの今が込められた人間らしい温もりのあるうつわでちょっぴり早い七草粥を楽しんでみました。
= 文・写真:宮城 =
【ご紹介したうつわはこちら】
色絵みかんと色絵野原がありますよ。
九谷青窯 徳永遊心 飯椀