こんにちは。
整理収納アドバイザーの佐々木奈美です。
前回のゲーム収納に続き、後編となる今回はゲームを通してお金の循環を学ぶお話。
お片付けで“整った暮らし”ができるようになったわが家が、子供たちに伝えているお金の話をしたいと思います。
正解かどうかはわかりませんが、一つの例として読んでいただけると嬉しいです。
お金の話ってどうやって伝えたらいいだろう?
私自身、昔からお金の話がとても苦手。
小さい頃から大人たちが「いいのよいいのよ、いらないわ。」と遠慮し合ったり、そうかと思えば「まけてよ~」と値切ったり、「ここは任せて」と大盤振る舞いをしたり、「衝動買いだー!」とストレス解消をしたりと、お金を交わす様々なシーンを見てきたのですが、ただ漠然と、「お金や物の価値をはかるというのはとても難しい問題だ!」と感じていたように思います。
(お金を使う時には、大人たちの様々な事情や感情、立ち振る舞いが乗っかっているのだな…と感じ、子供ながらに大混乱だったのでした。笑)
そんなお金のことを大して理解していないままの私が、3人の子供を持ち、暮らし単位でお金を回すようになりました。
ちんぷんかんぷんだったお金の話を、今度は子供たちに教える立場になったのですから、それはもう必死。
「自分自身が上手に回せていないのに、どうやって伝えたらいいだろう?」と、頭を抱えるのでした。
ゲームとお金。思いと形。
そこで思いついたのが、子供たちに物を通じてお金の循環を伝えること。
クリスマスプレゼントやお誕生日プレゼントでどんどん増えていくゲームソフトの収納がパンク状態なので、時々ゲーム断捨離会をするようになりました。
中でも子供たちが納得して手放せたのは、「売る」方法。
物がお金に姿を変えると、次に必要な物にまた変えることができます。
考えてみれば、はるか昔はお金という形はなく、物々交換で生活を営んでいたのですから、これは理にかなった話。
「もうたくさん遊んだ」
「新しいゲームがほしい」
「持っていても使わない」
これはゲームソフトを手放す子供のセリフです。
もしかしたら、「いただいた物を安易に手放してはいけない」というのは、私の小さい頃からの思い込みだったのかも…。
「物を大切に」という考えは大切ですが、時に私たちの判断を鈍らせているようにも思います。
ゲームソフトを手放していく子供たちの様子に、自分の価値観がぐるんと変わったのは私の方でした。
ゲームソフトを売って得る、物とお金を循環させる知識。
ゲームが大好きなわが家の子供たち。
私には、子供たちが本を読むような感覚で、知らない世界に没頭し、新しい知識を得ているように見えます。
こっちのソフトでは情報を構築するプログラミングの学びを得て、あっちのソフトでは冒険小説のように物語を読み解き、時にはクリエイティブな建築家にも。
そうそう。私も小さな頃、テトリスにはまっていたのですが、そのことが収納能力を鍛えたように思うのです。
一つの物を通して、たくさんの経験を得て、満足したら次の世界の扉を開ける。
ゲームは、知らない世界をたくさん見られるすばらしいツールだと思います。
今回売ることにしたゲームソフトは3本。
中古ゲームを買いに行く時に、下取り価格に相当するもの。
高く売れなくてもいいという気持ちで、手放します。
新しい世界を知る資金になる、ゲームソフトたち。
型が古いゲーム機のソフトは、全部で10本。
もう世の中では買い取り価値が下がっていて、買い取り手がいないと分かった物です。
「だからと言って、捨てるのはもったいないよ。」
「でも売れないなら、空箱は取っておく意味がないよね?」
「中身だけ持って、空箱は捨てる?」
「確かに!売らないなら保管の必要はないね。」
こんな話し合いが繰り広げられました。
子供たちが意見を出し合って、中身のソフトだけ残し、空箱を処分する結論に至ったのです。
すると、収納もすっきり!
3人が納得のいく答えを出すために、相手の意見を採用しながら新しい方法を生み出す話し合い。
みんなが納得のいく良い案を、子供たちだけで出すことができ、なんだか経済ミーティングのようにも見えた母なのでした。