毎年この時期になると、送られてくる新米。
送り主はちょっぴり変わった農家さんです。
「会社辞めてフランスの大学で農業学んでくる。」
外資系のIT企業に勤めていた友人がそう言ったのはかれこれ10年ほど前の話。
休日には農業サークルみたいなところで農業体験をしているのは知っていたけれど、あまりに大胆な人生のふり幅にただただキョトンとして笑われたことを覚えています。
それから数年して帰国した彼が選んだのは千葉という土地。
周りのベテラン農家さんに支えられながら、今は、太陽とともに寝食し、自分の田んぼや畑でお米や新しい野菜作りに挑戦する毎日です。
彼がそう道を歩んだのもきっと、「いいじゃない!」って背中を押して、そんな人生をも楽しんで一緒に歩める奥さまがいらっしゃったから。
「彼はどういうわけか植物を育てるのが上手なの。そんな人のことを、フランス語では「avoir la main verte 緑の手を持つ」って言うのよ~!」
そう隣でケタケタ楽しそうに笑う奥さまの大きなうつわもまた、素敵でおかしい、大好きな農家のご夫婦です。
■ とびっきりのごちそうだから 土鍋で炊いて
緑の手を持つ農家さんたちから届く新米は、この時期のとびっきりの贅沢。
きちんと向き合って丁寧に味わいたいから、今日は土鍋でごはんを炊いてみました。
「はじめチョロチョロ、なかパッパ。」
昔からよく聞く、かまどで美味しくごはんを炊くための秘訣。
「はじめチョロチョロ」とは炊き始めを弱火でゆっくり加熱することを意味するそうで、ゆっくり時間をかけてお米を加熱することで、お米の甘みやうまみをより多く引き出せるのだといいます。
土鍋は熱伝導性が低いくことによって自然と「はじめチョロチョロ」状態に。
ゆっくりと温まりまんべんなく全体に熱が伝わることによって、甘みとうまみが充分に引き出された状態でごはんが炊き上がります。
また、保温性が高いため蒸らしが充分に行われ、余分な水分が蒸発することによって炊きムラもなくなるんだそう。
お米が「立った」状態でふっくら炊き上がるのは、土鍋のこういった特性によるものなんだそうです。
■ 私たちのおうち土鍋ごはん
土鍋で炊いたごはんは噛むごとに甘みが増して、おかずもいらない美味しさ!
実はこちらを炊いたのは、電子レンジでごはんが炊ける電子レンジ釜。
電子レンジでチンするだけで、お皿を洗っている間にごはんが炊き上がります。
コツなく土鍋ごはんの美味しさをいただける、何ともラクチンごはん釜なのでした。
下はスタッフの日常からの一枚。
直火で炊くななかまどの土鍋を使って、なんとご主人が秋刀魚ご飯を作ってくれたそうです。
土鍋で炊くごはんは、ふっくら艶やか。
お茶碗によそうだけで、うっかり顔がほころんでしまいそう!
土鍋に詰まった小さなシアワセ。
農家さんから届くとびっきりのごちそうで、美味しい秋をお過ごしください。
写真:平山・宮城 文:宮城
【ご紹介したアイテム】
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TOJIKI TONYA(トウジキトンヤ) 電子レンジご飯釜
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九谷焼 ななかまど 片手パンとお鍋のセット